
自然とつながること
「人は心と切り離された肉体を持っているわけではない」
このウイリアウム・ブレイクの言葉のように、私たち人間は、心と身体のバランスを保ちながら生きています。
ところが、病気になると心の問題はなぜか切り離されてしまうことが多いように思えます。
なぜならば、私たちは科学で証明された客観的事実だけを唯一の尺度にしがちだからなのです。
これは西洋医学的な考え方です。
現在では、東洋医学の鍼灸や漢方、瞑想などが身体にもたらす効果についても科学的に証明されてきました。
しかし、科学で証明されればされるほど、人間についての謎は深まっていくばかりです。
人間は、人間を理解しようとして「身体」と「心」に分けました。
そして身体の専門家が生まれます。
身体や心の専門は細かく分類されていき、その情報と知識は膨大になっていきます。
それでは、それらの部分的なものをすべて組み合わせたとしたら人間というものが理解できるのでしょうか。
おそらく理解できることからより遠く離れていくように思えます。
「心は王様、身体は下僕」という野口体操の野口三千三さんの逆説的な言葉はともかくとして、人間は身体も心も同時に合わせ持っていて、なおかつ両者は深くつながっているというのが原点ではないかと思うのです。
「ホーリズム※1」という言葉があります。
物事を部分的にとらえるのではなく、全体としてみるという意味合いで、東洋的な考え方です。
エドガー・ケイシー(1877~1945)はホーリズムの先駆者ともいえる人物で、ハーブ、ミネラルを利用した「ホクシー療法」といわれる療法でガンなどの手当てをしていました。
その影響を少なからず受けた人にジャン・クリスチャン・スマッツという思想家がいます。
彼は『ホーリズムと進化』という著作の中で「ホーリズム」の形容詞として、初めて「ホリスティック」という造語を使いました。
この世界(宇宙をも含む)のすべてのものから恩恵を受け、また返すという循環のなかで私たちは生きているのだと思います。
私たちの身体は自己免疫や自然治癒力が備わっていて、健康に生きられるような仕組みがあるので普通に生活をしていれば病気にはなりません。
しかし、時としてそのバランスが崩れてしまうときがあるのです。
そんなときに身体と心のバランス取り戻すための方法を探しました。
ここにあげたものはほんの一握りのものだと思います。
けれど、これをきっかけとして(私もそうであったように)もっと多くのものに出会っていただければとても嬉しいです。
1 ホーリズム(Holism、ギリシア語で全体、総和を意味する言葉に由来)または全体論(ぜんたいろん)とは、ある系(生物、化学、社会、経済、精神、言語)は、その構成要素のみにより説明されるものではない、すなわち部分が系全体の振る舞いを決定しているのではなく、系全体が部分の振る舞いを決定しているとする考えであり、還元主義と対立する。『世界大百科事典』(平凡社)より抜粋

