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病気と科学
医学において経験が大きくものを言うことは疑いが無い。薬理学の学説は変化したがヒマシ油は何千年にもわたり有効に使われた。キナやジギタリスは一般的な薬で医師たちによって経験的に使われた。しかし医学が科学的な薬理学の学説を持つに至って認められてきた薬品の効果を説明できるだけでなく新しい薬を組織的に見つけ出すことが出来るようになった。同様に経験はマラリアが沼の近くで発生することを教えた。夏と秋に沼から有毒な蒸気が出るというのが学説であった。これは論理的な仮説であって科学的な事実ではなかった。誰もこの蒸気を捕捉したり分析することが出来なかったからである。この理論は間違っていたが役に立つものであった。これに基づいて16世紀から18世紀にかけて教皇たちはポンティノ湿原の一部を排水して好結果を得た。しかしマラリアは蚊に伝播される微生物によって起こるという科学的事実が確立されてこの病気ともっと組織的に闘うことができるようになった。
医学の進歩は極めて遅かった。医学は他の科学の発達に依存しシンガーが非常に適切にも「機械的な世界」と呼んだ建造物の一部だったからである(1)。一歩一歩非常に徐々に進みどの時代にも古代の学説のように完全で論理的に総合されたシステムを作ることは出来なかった。多くの疑問符は現在でも残っているが科学の一つ一つの進歩が医学をゴールに近づけた(青空文庫より 仮デザイン)。
文学と病気
トルストイの偉大な小説「アンナ・カレーニナ」において女主人公は愛人の子供を産んだ後で産褥熱にかかりこの病気が物語りの頂点で動機となった。病気は一般的な言葉であるが間違いなく記載されている。問題なのは症状ではなくアンナが死にかけているという事実である。彼女は社会の掟を破って不義の恋愛に耽った。夫は彼女を離婚したいと思い愛人は立身の道を閉ざされた。社会からの追放が彼女の運命になるところであった。ついで彼女は子供を産み病気になり死にかけている。死に直面して彼女を愛する2人の男すなわち夫と愛人は会って互いに和解する。夫は彼女を許し愛人は家に帰って自分を打つ。これで物語は終わりすることができたであろうが終わらなかったのが小説を偉大にしている。アンナは予想に反して回復し愛人は自殺が未遂に終わって生命は続く。アンナと愛人は外国に逃げ幸福な短期間が過ぎて彼女は生きるのに堪えられなくなって自殺する。
この小説でトルストイは状況を強調するために病気を巧みに利用した。アンナが自殺した後で愛人は絶望して戦争に行くことにする。彼はプラットホームで列車の出発するのを待っていてそのときにひどく激しい歯痛に悩まされる。これは小さなことのようであるが愛人ウロンスキーの精神の苦悩に肉体の苦痛を加えることによって耐え難い立場を可能な限り強調している。
病気は非常に多くの小説で筋の展開または状況の特性を示すのに同じように使われている。小説家は医学者ではないし素人のために書いているのではないので専門家だけに知られている稀な病気を記載するのではなく誰でもよく知っている病気を記載する。どの病気を選択するかは作家が生きていた時代と達成すべき目的による(青空文庫より 仮デザイン)。
更新情報
2011-09-25
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